シャープマーケティングジャパン株式会社のAGV「TYPE B（長時間駆動型）」が実現する長時間運用の安定性

AGV（自動搬送車）は、製造業や物流業において、人手不足の解消や搬送効率の向上を目的に導入が進んでいます。中でも、導入効果の持続性を重視する現場では、「長時間の連続運用」が大きな評価軸となっています。充電頻度が高い機種では、シフト中に稼働を止めて充電する必要が生じ、運用効率を損ねる可能性があります。

この課題に対し、シャープマーケティングジャパン株式会社が提供する「TYPE B（長時間駆動型）」は、約8時間の連続稼働が可能なAGVとして開発されました。本記事では、このTYPE Bの構造や電源設計、安全機能、搬送性能を事実に基づいて詳しく解説し、長時間運用を必要とする現場に適している理由を明らかにします。

TYPE B（長時間駆動型）の基本構造と搬送能力

TYPE Bは、AGVとしての基本性能を保持しながら、長時間稼働を目的にバッテリー容量を強化したモデルです。外形寸法は954mm × 480mm × 293mmと、長時間駆動型でありながら取り回しやすい中型サイズを維持しています。

積載性能は以下の通りです。

• 積載許容荷重：200kg
• 潜り込み牽引重量：200kg
• 引っ張り牽引重量：500kg

牽引方式としては、台車下に潜り込んで牽引するタイプと、フック等を用いた引っ張り方式の両方に対応しており、運搬対象の形状や重量に応じて柔軟な運用が可能です。

走行方式は前進とスピンターンに対応し、方向転換時も最小半径で旋回できるため、限られたスペースでも効率よく搬送ルートを構築できます。最高走行速度は60m/minと設定されており、安全とスループットのバランスを意識したスペックとなっています。

TYPE B（長時間駆動型）の稼働時間とバッテリー仕様

TYPE Bの最大の特徴は、8時間という長時間の連続稼働を実現している点にあります。これは、鉛バッテリーDC24V（42Ah×2 直列）という大容量構成によるものです。標準モデルであるTYPE Aのバッテリー（13Ah×2 直列）と比較すると、約3.2倍の容量を有しており、頻繁な充電が不要な設計となっています。

このスペックは、以下のような運用現場に特に有効です。

• 日中の1シフト（8時間）をフル稼働でカバーしたい現場
• 自動充電設備を導入せずにまず運用を始めたい場合
• 複数台体制でのローテーション稼働を考慮しているライン

TYPE Bは、手動充電方式においても柔軟性を持たせており、プラグINによる直接充電と、バッテリーボックス交換による充電切替の両方に対応しています。また、自動充電機能についてはオプション対応として後付け可能であり、運用開始後の拡張にも対応しやすい設計となっています。

TYPE B（長時間駆動型）の誘導・制御方式

誘導方式は「磁気テープ＋ICタグ併用型」を採用しています。この方式は、初期導入の手間が少なく、床に磁気テープを敷設することでルート誘導が可能となります。また、ICタグを併用することで、位置情報、停止ポイント、分岐選択などの詳細な制御指示が可能となり、より高度な搬送ルート設計が実現します。

この構成により、TYPE Bは以下のような運用の柔軟性を備えています。

• 短期試験導入でも高精度な誘導が可能
• 工場内のライン変更に合わせて簡単にルートを再設計できる
• ソフトウェア連携による動的制御にも対応可能

特別なセンサーや高価な誘導装置を用いずに、高精度の誘導性能を実現できる点は、コストパフォーマンスの面でも優位性があります。

TYPE B（長時間駆動型）の安全装備とフェールセーフ機能

AGVを作業者と共有する環境で運用する場合、安全性能は最も重要な評価軸のひとつです。TYPE Bは、以下の安全装備を標準搭載しています。

• 非常停止スイッチ
• バンパースイッチ
• 障害物センサ（切替可能）
• 走行メロディ（最大85dB）
• ウィンカー

これにより、視覚・聴覚・物理的検知の3方向から接触事故のリスクを低減しています。障害物センサは現場環境に応じてオンオフを切り替えられるため、作業員が頻繁に往来するゾーンと無人ゾーンとで設定を変更することも可能です。

フェールセーフ機能も充実しており、次のような異常時には自動停止する機構を備えています。

• コースアウト
• モーター過負荷
• センサー断線
• 電圧低下

これにより、長時間稼働中でも事故やトラブルを未然に防ぐ設計となっており、無人搬送でありながら高い信頼性を保ちます。

TYPE B（長時間駆動型）が適する運用シーンと導入環境

TYPE Bは、その稼働時間と安定性から、以下のような現場環境に適しています。

• 部品供給が頻繁なラインでの長時間無人搬送
• 複数AGVを交互に使用することでの24時間稼働構築
• 休憩・食事時間以外に充電のタイミングを設けたくない製造工程

また、導入時に自動充電ステーションを設置せずとも、手動運用で1シフト分の搬送がカバーできるため、初期導入のハードルも低く、拡張にも柔軟に対応可能です。将来的に自動化レベルを高めたい場合にも、オプションで自動充電装備を追加することで無人運用体制を築ける設計になっています。

TYPE B（長時間駆動型）のカタログスペック

項目	内容
外形寸法	954mm × 480mm × 293mm
積載許容荷重	200kg
潜り込み牽引重量	200kg
引っ張り牽引重量	500kg
走行方向	前進＋スピンターン
最高走行速度	60m/min
誘導方式	磁気テープ＋ICタグ
安全装備	同上
フェールセーフ	同上
電源	鉛バッテリー DC24V（42Ah×2 直列）
稼働時間	約8時間
手動充電	交換、プラグIN
自動充電	オプション対応

TYPE B（長時間駆動型）まとめ：長時間運用に最適なAGVの中核モデル

シャープマーケティングジャパン株式会社のAGV「TYPE B（長時間駆動型）」は、8時間という長時間稼働性能を軸に、現場での搬送効率と運用安定性を追求したモデルです。コンパクトな筐体に大容量バッテリーを内蔵し、手動・自動の両充電方式に対応する柔軟性、安全性能とフェールセーフ機構も備えています。

AGVの導入を検討するにあたり、「頻繁な充電を避けたい」「シフト内で安定して搬送を続けたい」といった要件がある現場には、TYPE Bは非常に現実的で効果的な選択肢となるでしょう。