株式会社エス・エス・イーのAGV「50kg版 台車搭載型」：シンプルで導入しやすい台車搭載型自動搬送機

自動搬送装置（AGV）の導入を検討する際、導入コストや設置の手間、スペース制約への対応が大きなハードルとなります。

株式会社エス・エス・イーが提供する「50kg版 台車搭載型」AGVは、こうした課題に応えるべく開発された小型で機動性の高いモデルです。

光学テープとRFIDによるシンプルな誘導方式を採用し、低コストかつ短時間での導入が可能です。本記事では、この製品のスペックに基づいた特徴と利点を、事実ベースで詳しく解説していきます。

50kg版 台車搭載型の基本スペックと特長

コンパクトな設計と高い取り回し性

「50kg版 台車搭載型」は、全体サイズが幅420mm×長さ538mm×高さ160mmと非常にコンパクトです。このサイズ設計により、倉庫内や工場内の狭小通路でもスムーズに走行できます。

最小回転半径は500mmであり、限られたスペースでも方向転換が容易に行える設計となっています。これにより、レイアウト変更が頻繁に行われる現場や、狭い作業エリアにも柔軟に対応できます。

基本機能に特化したシンプルな構造

このAGVは、高度な拡張機能よりも日常運用に必要な基本機能を重視したシンプルな仕様です。制御システムは、マイコンボードと専用のシールド基板によって構成され、安定した動作を実現しています。

動作コマンドとしては、「前進」「停止」「後進（制限あり）」「右分岐」「左分岐」「その場旋回」「速度変更」などがあり、搬送ルートに応じた柔軟な制御が可能です。また、牽引ではなく台車をリフトアップして搭載する方式を採用しており、振動の影響を抑えた安定搬送を可能にしています。

簡単な設置と柔軟な誘導方法

誘導方式には、19mm幅の市販ビニールテープを用いた光学テープ誘導方式を採用しています。さらに、FelicaLite-s方式のRFIDタグを併用することで、走行経路の指示や制御が可能です。

コースはCSV形式の経路ファイルで構成されており、パソコン上で簡単に作成・変更できます。これにより、頻繁なレイアウト変更にも短時間で対応できます。特別な工事や高度なIT知識を必要とせず、初めてAGVを導入する現場でもスムーズに対応できるのが特徴です。

搬送性能と安全機能の充実

最大搬送重量と速度性能

「50kg版 台車搭載型」は、最大で約50kg（台車含む）までの搬送が可能です。これは、部品や中型サイズの資材の自動搬送に適した性能です。

動力はDCブラシレスモーターによる後輪駆動で、左右2軸が個別制御されており、高精度な走行制御が実現されています。最大速度は約0.3m/sで、構内の安全基準に沿った速度での搬送が可能です。また、停止精度も±10mmと高精度で、正確な位置での荷物の受け渡しが可能です。

標準搭載の安全装備

安全性についても、前部の接触バンパーや前後の超音波センサー、非常停止ボタンが標準装備されており、作業者との接触や障害物との衝突を未然に防ぎます。

加えて、動作状態を視覚的に示すLED、走行中の警報音、異常発生時の警告機能も備えており、現場での視認性と安心感を両立しています。これにより、人的被害や機械の損傷リスクを低減する設計がなされています。

運用のしやすさと拡張性

導入初期の簡便性と短時間稼働

本機は、ユーザー自身で設置作業を行えるように設計されており、導入初期の設定はおよそ2〜3時間で完了します。これにより、専門業者の長時間作業を必要とせず、運用開始までのリードタイムを大幅に短縮できます。

加えて、設置後のメンテナンスも軽微で、日常的な点検だけで長期間安定した稼働が期待できます。運用コストや維持管理の手間を抑えたい現場にとって、大きなメリットとなる仕様です。

無線通信による運行管理の拡張性

オプションとして、無線通信機能の搭載も可能です。これにより、ホストPCからの遠隔指示やリアルタイムの運行状況の把握ができ、より高度な運行管理体制の構築が可能になります。

無線制御により複数台のAGVを同時に管理したり、上位システムと連携して運用効率をさらに高めることができます。

まとめ：50kg版 台車搭載型は小型・高機能なAGVのスタンダード

株式会社エス・エス・イーの「50kg版 台車搭載型」AGVは、導入のしやすさ、小型でありながら高い安全性、そして拡張可能な設計が魅力です。

基本機能に特化することでコストを抑えつつ、狭小スペースでの軽量物搬送に必要な性能をしっかり備えています。はじめてAGV導入を検討する事業者にとっても、十分に実用性のある選択肢と言えるでしょう。