「AGVを導入したいが、どのベンダーに任せればいいのか分からない」「導入したはいいが、現場で使われない『置物』になってしまったらどうしよう…」
AGV導入の成功は、最適なパートナー選びにかかっていると言っても過言ではありません。
この記事では、岡谷鋼機グループの一員として安定した経営基盤を持ち、AGV・AGF・AMRの総合的なソリューションで注目を集める新エフエイコム株式会社について、導入担当者が知りたい「技術力」「実績」「サポート」「コスト」の4つの観点から徹底解説します。
1. 会社の信頼性は?長く付き合えるパートナーか?
まず初めに、ベンダーの基本的な情報を確認しましょう。「どんな会社で、どれくらいの規模なのか?」「本当に信頼できる企業なのか?」という点は、長期的なパートナーシップを築く上で最も重要な基盤となります。
企業概要
項目 | 詳細 |
---|---|
ベンダー名 | 新エフエイコム株式会社(英名:FA System & Technology Corporation) |
企業規模 | 売上高:50億円(初年度目標) / 従業員数:177名(2024年8月現在) |
設立年 | 2022年(前身のオフィスエフエイ・コムは1997年創業、1999年設立) |
主力製品・サービス | AGV・AGF・AMR、産業用ロボット、FA装置、物流システム(WMS・WCS)、制御システム |
事業展開エリア | 全国対応(北海道から沖縄まで) |
この情報が意味すること:安定性と専門性の両立
新エフエイコムは、2022年に設立された新しい会社ですが、その母体はFA・物流自動化の分野で25年以上の実績を持つ旧オフィスエフエイ・コムです。さらに、大手専門商社である岡谷鋼機の100%出資という強力なバックボーンがあります。
つまり導入企業にとっては、「スタートアップのような革新的な技術」と「大企業グループの安定した経営基盤と信頼性」の両方を享受できる、非常にバランスの取れたパートナーであると言えます。突発的な倒産リスクなどを心配することなく、長期的な視点で安心して協業を進めることが可能です。
2. 自社の課題を本当に理解し、解決してくれるのか?
「AGVをただ納品するだけでなく、ウチの現場の課題を深く理解し、最適な提案をしてくれるのだろうか?」これは担当者として最も気になる点でしょう。新エフエイコムがどのようにして導入目的の達成を支援するのか、その「提案力」と「技術力」を具体的に見ていきましょう。
課題解決へのアプローチ
- 現状課題の理解度:人手不足や生産性向上といった経営課題から、現場の細かなニーズまで深くヒアリングし、根本的な問題点を把握します。
- 業務プロセス理解:AGVという「点」だけでなく、工場・倉庫全体の物流フローという「線」や「面」で業務を捉え、全体最適の視点で提案を行います。
- 上位システム連携:既存のMES(製造実行システム)やERP(生産管理システム)との連携を前提とした設計で、データが分断されないシームレスな工場運営を実現します。
要求される機能をどれだけ満たせるか?
「ウチで使いたい搬送方法や、求める精度に対応できるのか?」という技術的な疑問に対して、以下の対応範囲が答えとなります。
機能カテゴリ | 対応範囲 | 特徴 |
---|---|---|
搬送機能 | 牽引型・パレット型・AMR型全対応 | 積載重量300kg~1.5tまで、軽量物から重量物まで幅広くカバー |
ナビゲーション | 磁気テープ・レーザー・3D SLAM・ビジョン | VisionNav社の3D SLAM技術により、±10mmという高精度な位置決めを実現 |
システム連携 | WMS・WCS・MES・ERP連携 | 自社開発の標準WCSパッケージにより、短納期・低コストでのシステム統合が可能 |
安全機能 | 9個のセンサー搭載(業界最多レベル) | 国際安全規格ISO3691-4に準拠し、作業者の安全を最優先 |
この情報が意味すること:単なる「AGV屋」ではない、真のソリューションパートナー
新エフエイコムの強みは、AGVというモノを売るのではなく、課題解決というコトを提供する総合力にあります。
現場の課題を深く理解し、幅広い製品ラインナップと高い技術力でそれに応え、さらには既存システムとの連携まで見据える。この一気通貫のアプローチにより、「導入したが現場で使えない」といった典型的な失敗を防ぎ、確実な業務改善と投資対効果の実現へと導きます。AGV台数シミュレーションやレンタルサービスも提供しており、導入のハードルを下げてくれる点も担当者には心強いポイントです。
3. 実績は十分か?同業他社での評価はどうか?
「理論上は素晴らしくても、実際に成功した事例はあるのか?特に自社と同じ業界での実績が知りたい」というのは当然の疑問です。ここでは、同社の豊富な実績と客観的な評価を見ていきましょう。
圧倒的な実績数と幅広い業界カバー率
「これまで、どれくらいの工場に導入してきたのか?」という問いには、以下の実績が明確に答えてくれます。
分野 | 実績数 | 主要導入事例 |
---|---|---|
製造業全般 | 3,000工場以上 | FA装置・ロボット制御システム導入 |
自動車産業 | 多数実績 | ロボット制御システム |
物流・倉庫業 | 物流センター多数 | AGV・AGF・WMS・WCS統合システム |
食品製造業 | パッケージング含む | パレタイズ・デパレタイズロボット |
半導体・電子部品 | 多数実績 | 検査装置・生産装置 |
客観的な評価と専門知識
- 公的機関からの評価:「地域未来牽引企業」選定や「健康経営優良法人」認定など、社会的にも信頼されている企業です。
- 技術コンテストでの実績:World Robot Challenge 2018で世界3位に入賞するなど、その技術力は国際的にも評価されています。
- 業界専門知識:特定のメーカーに縛られない「独立系ロボットSIer」であるため、顧客の課題に対して最も適したメーカーの製品を客観的な立場で選定・提案できます。
この情報が意味すること:「経験豊富」で「客観的」な提案力への信頼
3,000工場以上という実績は、同社が多様な現場で数多くの課題を解決してきたことの何よりの証拠です。自動車、物流、食品など、あなたの業界のノウハウも既に蓄積されている可能性が高いでしょう。
そして「独立系SIer」である点は、導入担当者にとって非常に大きなメリットです。メーカーの都合ではなく、純粋に「自社にとって何がベストか」という視点で最適な機器を選んでくれるため、偏りのない、本当に価値のある提案を期待できます。
4. 将来の事業拡大にもついてこれるか?
「今は良くても、5年後、10年後に陳腐化しないか?事業が拡大した時に、システムを全部入れ替えなければならない事態は避けたい」――。ここでは、システムの「拡張性」と「将来性」を検証します。
ビジネスの成長に合わせた拡張性
「台数を増やしたり、機能を後から追加したりできるのか?」という疑問には、以下の柔軟性が答えとなります。
拡張パターン | 対応方法 | メリット |
---|---|---|
台数拡張 | 最大150台まで一台のシステムで一元管理可能 | 事業の成長に合わせて、無理なくAGVの台数を増やせる |
機能拡張 | 産業用ロボットやAGF(自動フォークリフト)との連携 | 単純な搬送から、より高度な自動化へとステップアップできる |
エリア拡張 | 複数拠点・工場のシステムを統合管理 | 本社で全国の工場の稼働状況を把握するなど、一元的な管理が可能 |
最新技術への追随と連携能力
「AIやIoTなど、新しい技術が出てきた時に対応できるのか?」という懸念には、以下の対応力が安心材料となります。
連携システム | 対応範囲 | 技術的特徴 |
---|---|---|
外部システム統合 | WMS・WCS・MES・ERP | 自社開発のWCSにより、既存システムとのスムーズな連携を実現 |
新技術統合 | AI・IoT・画像処理 | AIによる画像認識や、IoTでのデータ活用など、先進技術の導入実績が豊富 |
ロボット連携 | 産業用ロボット・協働ロボット | オムロンやROKAEなど、主要ロボットメーカーとの認定パートナーシップを保有 |
この情報が意味すること:一度きりで終わらない「成長する」システムへの投資
新エフエイコムのAGVソリューションは、導入して終わりではありません。ビジネスの成長に合わせてAGVを増やしたり、ロボットアームと連携させて工程を自動化したりと、将来の事業計画に合わせてシステムを成長させることができます。
これは、数年後にシステムを丸ごと入れ替えるといった最悪の事態を避け、初期投資を無駄にしない「未来を見据えた投資」となることを意味します。ローカル5Gやクラウドといった次世代技術への対応も進んでおり、陳腐化のリスクが低い点も大きな魅力です。

5. 「導入後」のサポートは本当に手厚いか?
「導入までは手厚かったが、いざトラブルが起きると対応が遅い…」というのは、システム導入における最大の懸念事項です。ここでは、新エフエイコムの「日本品質」を謳うサポート・保守体制を詳しく見ていきます。
導入から運用まで、ワンストップの支援体制
「導入時にしっかり支援してくれるのか?トラブル時にすぐ駆けつけてくれるのか?」という不安には、以下の体制が応えます。
支援項目 | 体制 | 特徴 |
---|---|---|
専任担当者配置 | プロジェクト管理体制 | 企画から導入後のフォローまで、一人の担当者が責任を持って対応 |
現地対応 | 自社フィールドエンジニア | 全国に配置された技術者が、迅速なオンサイト対応を実施 |
事前検証 | ショールーム「スマラボ」 | 実際の機器を使い、導入前に効果を検証できる(PoC対応) |
止まらない現場を実現する保守サービス
「定期的なメンテナンスや、万が一の時の部品供給は万全か?」という問いには、以下のサービス内容が安心を与えてくれます。
サービス項目 | 内容 | 提供体制 |
---|---|---|
定期メンテナンス | 予防保全プログラム | 故障を未然に防ぎ、安定稼働を維持するための計画的なメンテナンス |
バージョンアップ | ソフトウェア更新 | 導入後も継続的にソフトウェアが更新され、機能が改善されていく |
緊急時対応 | 24時間365日体制 | ミッションクリティカルなシステムには、24時間体制でのサポートも可能 |
この情報が意味すること:現場を止めない、という絶対的な安心感
新エフエイコムのサポート体制の核心は、「現場を止めない」という強い意志にあります。専任担当者による一貫したフォロー、全国をカバーする技術者網、そして予防保全プログラムは、単なる「故障対応」ではなく、トラブルを未然に防ぎ、万が一の際もダウンタイムを最小限に抑えるためのものです。
また、同社が高い有給取得率を誇るなど、技術者が働きやすい環境を整えている点も見逃せません。これは技術者の定着率の高さ、ひいては長期間にわたる質の高いサポートの継続性につながる、導入企業にとっての隠れたメリットと言えるでしょう。
6. 費用対効果は? – 見積もりだけでは見えない本当のコスト
「結局、総額でいくらかかるのか?」「その投資は、何年で回収できるのか?」コストは、導入担当者にとって最もシビアな判断基準です。
価格体系:なぜ「都度見積もり」なのか?
まず前提として、AGVやAGFの価格は、自動車のように定価が決められているわけではありません。新エフエイコムを含め、ほとんどのベンダーが「都度見積もり」形式をとっています。
なぜなら、AGVシステムは単なる「製品」ではなく、お客様の現場環境や課題に合わせて作り上げる「オーダーメイドのソリューション」だからです。最終的な価格は、以下の要素の組み合わせによって大きく変動します。
費用項目 | 価格を左右する主な要因 |
---|---|
AGV/AGF本体費用 | 運搬重量、ナビゲーション方式(SLAM、磁気テープ等)、走行速度、安全センサーの等級 |
システム構築費 | 連携させる上位システム(WMS/ERP等)の有無と複雑さ、制御するAGVの台数 |
インフラ整備費 | 走行経路の床面整備、専用充電ステーションの設置、無線LAN環境の構築 |
オプション費用 | 自動扉との連携、エレベーター連携、ロボットアーム搭載などの追加機能 |
表面的な本体価格だけで比較するのは危険です。重要なのは、これらの要素をすべて含んだ「総額(TCO)」で費用対効果を判断することです。新エフエイコムのような経験豊富なSIerは、これらの要素を網羅した詳細な見積もりを提示し、なぜその費用が必要なのかを明確に説明してくれます。
投資回収(ROI)を最大化する3つのポイント
では、その投資をいかにして回収するのか。新エフエイコムのソリューションは、以下の3つの観点から投資回収期間の短縮に貢献します。
効果項目 | 改善内容 | 投資回収への寄与 |
---|---|---|
直接的な人件費削減 | 24時間無人運転 | 人件費だけでなく、採用・教育にかかる莫大な時間とコストも削減。 |
間接的なコスト削減 | ±10mmの高精度搬送 | 搬送ミスによる製品破損や、手戻り作業といった「見えない損失」を削減。 |
生産機会の最大化 | 予防保全システム | 計画外のライン停止を防ぎ、「生産できていれば得られたはずの利益」を守る。 |
「隠れコスト」を未然に防ぐ透明性
見積もり後に想定外の「隠れコスト」が発生することは、導入担当者にとって最も避けたい事態です。新エフエイコムは、そのリスクを最小化するための対策を講じています。
- カスタマイズ費用の抑制:実績豊富な標準WCSパッケージを基盤にすることで、ゼロからの開発を減らし、追加費用を抑えます。
- データ移行・研修費用:既存システムとの連携ノウハウや、充実した教育プログラムにより、スムーズな移行を実現し、追加の工数発生を防ぎます。
- 段階導入の提案:初期投資を抑えたい場合は、AGVレンタルサービスからスモールスタートすることも可能です。
新エフエイコムは、目先の安さではなく、長期的な視点でのTCO(総所有コスト)削減を重視しています。透明性の高い見積もりと、将来の拡張まで見据えた柔軟な提案により、導入企業は「安物買いの銭失い」のリスクを避け、確実なリターンを計画することができます。
7. 導入検討のための最終確認チェックリスト
これまで見てきた情報を元に、導入担当者がベンダーを評価・選定する際に活用できるチェックリストを作成しました。商談や比較検討の際に、ぜひご活用ください。
基本適合性チェック
- □ 導入目的との適合性:自社の省人化・効率化目標を達成できる提案か?
- □ 同業実績・評価:自社業界での成功事例はあるか?第三者からの評価は?
- □ 拡張性・将来性:将来の事業拡大や技術革新に対応できるシステムか?
- □ サポート体制の手厚さ:緊急時の対応や保守体制は信頼できるか?
- □ 費用対効果:TCO・ROIの試算は現実的で、納得できるものか?
技術仕様チェック
- □ 搬送能力:扱いたい荷物の重量やサイズに対応しているか?
- □ ナビゲーション方式:現場の床やレイアウトに適した誘導方式か?
- □ 安全機能:国際的な安全規格に準拠しているか?
- □ システム連携:既存の基幹システムとスムーズに連携できるか?
導入プロセスチェック
- □ 事前検証:導入前に実機でテスト(PoC)を行うことは可能か?
- □ 導入スケジュール:提示されたスケジュールは現実的か?
- □ 教育・研修:現場作業員へのトレーニングは十分か?
- □ アフターサポート:保守契約の内容は自社の運用レベルに合っているか?
8. 【具体例】あなたの工場ではどう活用できるか?
最後に、「理屈は分かったが、実際に自社の現場でどのように動くのかイメージが湧かない」という方のために、具体的な活用シーンと導入効果の測定方法をご紹介します。
典型的な導入パターン
パターン1:段階的導入モデル(スモールスタート型)
- フェーズ1:リスクを抑え、特定のラインでパレット搬送AGVを2台導入。
- フェーズ2:効果を測定・確認後、対象エリアを広げ5台体制へ拡張。
- フェーズ3:高層ラックへの自動入出庫のため、AGF(自動フォークリフト)を追加導入。
- フェーズ4:WMSと完全に連携させ、倉庫全体の最適化を実現。
パターン2:統合システム導入モデル(一気通貫型)
- AGV + ロボット連携:AGVが部品を供給し、ロボットアームが組み立てるなど、搬送から作業まで一貫して自動化。
- WMS・WCS統合:入庫から出庫まで、人の介在を極限まで減らした「スマート倉庫」を実現。
業界別活用事例
- 製造業(自動車部品)
- 課題:工程間の部品供給の遅れ、ジャストインタイム生産への対応。
- 解決策:ロボットアーム付きAGV「FASTRAV」を導入。
- 効果:工程間搬送時間を50%削減、3名分の省人化を達成。
- 物流業(配送センター)
- 課題:広大な倉庫でのピッキング作業者の歩行距離、人による作業ミス。
- 解決策:棚ごと作業者の元へ運ぶ棚搬送型AMRを導入。
- 効果:ピッキング生産性が30%向上、歩行作業を大幅に削減。
導入効果の「見える化」
新エフエイコムは、導入効果を客観的なデータで測定する仕組みも提供します。
- KPI測定項目:生産性(搬送効率、稼働率)、品質(損傷率)、コスト(人件費削減額)、安全(事故発生率)などを数値で「見える化」。
- 継続改善サイクル:月次レポートなどで運用状況を分析し、さらなる改善提案を実施。ROIの最大化を共に目指します。
自社に合った導入計画と、確実な成果
これらの事例は、新エフエイコムが画一的な製品を押し付けるのではなく、顧客の状況に合わせて最適な導入計画を立てられることを示しています。スモールスタートでリスクを抑えたい企業も、一気に最先端の自動化を目指す企業も、それぞれのゴールに合わせた道筋を描くことが可能です。
そして最も重要なのは、導入効果を感覚ではなく具体的な数値(KPI)で測定し、継続的に改善していくサイクルを回せること。これにより、導入担当者は社内に対して、投資の正当性と成果を明確に報告することができるのです。
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※本記事内で紹介している導入効果やROI試算は、あくまで一例であり、全ての企業様に同様の結果を保証するものではありません。実際の効果は業種・規模・運用方法により異なるため、詳細は個別相談にてご確認ください。