人手不足対策や生産性向上を目的にAGV(無人搬送車)を導入したい――。
そう考える企業は増えていますが、最大のネックが「初期費用の高さ」です。
しかし、その費用を大幅に圧縮できる手段があるのをご存知でしょうか?
それが、国や自治体による“補助金制度”の活用です。
本記事では、AGV導入に使える補助金制度の種類、対象となる費用、申請のコツ、
さらに「自社に合った補助金がどれか分からない…」という方に向けて、
選び方・判断チャート・申請例・採択後の注意点までを網羅的に解説します。
目次
AGV導入で活用できる補助金制度一覧(2025年版)
全国共通で利用できる制度
- ものづくり補助金(中小企業等事業再構築促進事業)
- 中小企業の設備投資を支援する代表的な補助金制度。AGVは「省人化・自動化設備」として対象。
- 事業再構築補助金
- 業態転換や新分野展開を支援。売上構成の変化が要件。
- IT導入補助金(周辺システムとの組み合わせ次第で対象)
- AGV単体では難しいが、制御ソフト・WMS連携構成で申請可能な場合もあり。
自治体独自の補助金(一部例)
- 東京都:中小企業DX促進補助金
- 名古屋市:スマートファクトリー化支援事業
- 地方自治体:省人化・地域産業活性支援補助など
※自治体制度は年度・地域で異なるため、最新情報は各自治体サイト・商工会議所等で確認を。
費用項目別|補助対象になるか?早見表
費用項目 | 補助対象? | 備考 |
---|---|---|
AGV本体 | ◯ | 搬送装置として明確に対象となる |
制御システム | ◯ | 周辺ソフト開発も対象になることが多い |
敷設工事 | △ | 工事内容次第。構内配線などは可の例も |
保守・メンテ契約 | × | 継続費用は対象外 |
既存設備の撤去費用 | △ | 間接経費に含められる場合あり |
補助金の多くは「導入に直接関係する費用」のみが対象。
タイプ別|どの補助金が合うか?Yes/Noチャートで確認
Q1:導入目的は自動化・省人化ですか?
Yes → Q2へ | No → 対象外の可能性
Q2:既存業務の延長ですか?それとも新分野ですか?
既存延長 → ものづくり補助金の対象
新分野・転換 → 事業再構築補助金の検討
Q3:AGVとあわせて制御ソフト等を導入しますか?
Yes → IT導入補助金との併用可否を確認
採択される申請書のポイントとNG例
採択されやすい書き方の3原則
- 課題と導入目的がひもづいている
- 改善効果が“数値”で表現されている
- 地域性・雇用・継続性などが語られている
よくあるNG例と改善例
項目 | NGな書き方 | OKな書き方例 |
---|---|---|
課題 | 「人手不足なので」 | 「出荷ピーク時に臨時2名追加が必要で、年間320時間超の残業が発生」 |
効果 | 「業務効率化が見込まれる」 | 「AGV導入により搬送工数を月90時間削減、年216万円相当の人件費低減」 |
モデル申請例|採択につながったAGV導入事例
A社(製造業・従業員40名)
- 補助金名:ものづくり補助金(省人化設備)
- 導入構成:AGV 2台、制御システム一式(計1600万円)
- 申請効果:搬送人員1名→0.5名、年間180万円の工数削減
- 採択時期:2024年9月、補助額960万円
申請から導入までの流れ(図解フロー)
[補助金公募] → [導入目的整理] → [見積取得] → [申請書作成] → [提出・審査] → [採択結果] → [AGV導入] → [実績報告] → [補助金交付]
よくある落とし穴と失敗回避のコツ
- 申請前に契約・発注してしまう → 対象外
- 「なんとなく自動化」では通らない → 数値根拠が必須
- 実績報告の不備 → 補助金減額・返還の可能性
書類管理・実施報告の準備も申請段階から逆算するのが鉄則。
採択率・平均補助額の参考データ(2024年時点)
補助金名 | 採択率 | 平均補助額 | 備考 |
---|---|---|---|
ものづくり補助金(第16回) | 約45% | 約970万円 | 最大1250万円まで |
事業再構築補助金(通常枠) | 約35% | 約1800万円 | 最大6000万円まで |
相談すべき?支援機関を活用する判断基準
- ● 申請書に不安がある(記述に慣れていない)
- ● 社内に専任担当がいない
- ● 投資額が1000万円以上で確実に通したい
→ 商工会議所、よろず支援拠点、行政書士、中小企業診断士 などを活用
まとめ|補助金を活用すればROIは確実に改善する
AGV導入は確かに高額投資ですが、補助金を活用すれば負担は大きく軽減できます。
重要なのは、「使えるかどうか」ではなく、「使える前提で計画を立てること」。
ROI(投資対効果)を高める意味でも、補助金制度の理解と活用は欠かせない武器になります。
【補足】導入規模や目的によっては、複数の補助金を併用・使い分けできることも。支援機関に相談を。