人手不足が深刻化する物流・製造現場では、無人搬送車(AGV)による自動化が急速に進んでいます。しかし、通路幅が限られるエリアや既存のカゴ台車仕様を変更できない現場では、一般的なAGVでは導入が難しいケースも少なくありません。

そうした制約を解消するのが、株式会社ヘッズが提供する「HACOBOO HRVT-M450(リフトアップタイプ)」です。本機は極限まで抑えられた本体高さとリフト機構を備え、狭小空間における高効率なカゴ台車搬送を可能にします。

本記事では、HACOBOO HRVT-M450の機構的特長と基本性能、安全性、拡張性について、客観的な仕様データに基づき解説します。

HACOBOO HRVT-M450の基本仕様と設計思想

高さ195mmの極低床構造とその意義

HACOBOO HRVT-M450の最大の特徴は、全高195mmという極めて薄型な筐体設計です。この寸法により、既存のカゴ台車の下部空間へ本体がスムーズに潜り込むことができ、台車を持ち上げてけん引する動作が可能となります。現場によっては、カゴ台車の上部構造を改修できないケースが多く、既存台車を活用できるAGVは非常に重宝されます。

通路幅が限られるバックヤードや工場内通路などでは、横幅450mmというスリムなボディ設計も有利に働きます。幅の狭いルートでもスムーズな走行が可能で、施設側のレイアウト変更を最小限にとどめながら導入できます。

駆動と制御:磁気誘導方式とPLC+マイコン構成

走行方式は磁気誘導式で、床に敷設した磁気テープに沿って正確に走行します。これにより、自己位置の誤認識やルート逸脱のリスクを抑え、安定した運用が可能です。制御はPLCとマイコンを併用しており、搬送タイミングの最適化や停止位置の精度制御など、現場ごとの細かな要求にも柔軟に対応できます。

さらに、前後進とスピンターンに対応しており、方向転換時のスペースがほとんど取れないようなレイアウトでもスムーズに対応できます。狭所での運用を前提とした設計思想が随所に表れている仕様です。

HACOBOO HRVT-M450の走行・積載性能

最大速度45m/minの走行性能とその実用性

HACOBOO HRVT-M450は最大で毎分45メートルの走行が可能です。この数値は一般的なAGVの中でも上位に位置し、長距離搬送が必要なルートにおいてもタイムロスを抑えることができます。スムーズな加減速制御が可能で、途中に障害物や他の搬送車が存在するような混在環境でも、急停止や接触を避けつつ運用可能です。

また、搬送経路の要所要所で停止し、指示されたカゴ台車の下へ正確に進入できるため、誤搬送や脱線リスクが極めて低い設計になっています。

最大450kgまで対応する積載力と制限条件

積載重量は最大450kgと、カゴ台車で一般的に扱われる物量には十分対応できる設計です。ただしスピンターン走行時は350kgに制限される点に注意が必要です。これはその場回転による荷重バランスへの影響を考慮したものですが、それでも大多数の現場搬送ニーズをカバーできる仕様となっています。

AGVによる搬送対象としては比較的重量のある部類に入るカゴ台車でも、台車自体の仕様変更を伴わず運用できる点は、現場側にとって大きな利点です。

HACOBOO HRVT-M450のリフトアップ機構と搬送動作

約50mmの持ち上げ機構で安定搬送を実現

HACOBOO HRVT-M450は、進入したカゴ台車の下部に潜り込んだ後、約50mm台車をリフトアップしてけん引走行を開始します。これにより、台車のキャスターが地面から浮き、荷重がAGVに集中する形となるため、振動や横揺れの少ない安定した搬送が可能になります。

このリフトアップ動作は、台車側に特別なアタッチメントを取り付けることなく成立する点も重要です。現場がすでに保有しているカゴ台車をそのまま使えるため、導入コストや準備期間を大幅に削減することができます。

指定位置での停止・進入による自動化の精度

AGVはあらかじめ設定された停止ポイントに正確に停止し、台車の下部に対して数センチ単位でセンタリングして進入します。この精度は制御アルゴリズムとセンサ設計によって保証されており、搬送時の誤差や段差による事故を防ぐための重要な要素です。

HACOBOO HRVT-M450の安全性と運用サポート

センサーとバンパーによる多層的な障害物検知

安全面では、前後に接触バンパーと障害物センサー(NPN仕様)を搭載しており、万が一の接触や近接物への接近時には自動停止が作動します。これにより、他作業員や設備との接触リスクを大幅に低減します。

非常停止ボタンにはメロディー付きの通知機能があり、異常時の報知や迅速な対応が可能です。現場の騒音環境下でも異常を認識しやすく、運用中の安全確保に大きく寄与しています。

リチウムバッテリーによる長時間運用と充電効率

電源には高効率のリチウムバッテリーを採用しており、長時間の連続稼働が可能です。満充電での搬送回数や運用時間は、搬送ルートや荷重条件により変動しますが、一般的な2直制の現場においても充電交換頻度は比較的少なくて済む設計です。

また、バッテリーの軽量化と高耐久化により、AGV自体の可搬性や整備性も向上しています。充電ステーションとの連携により、時間外自動充電や夜間稼働も可能で、人的稼働を抑えた24時間体制への移行にも対応できます。

HACOBOO HRVT-M450のまとめ:狭小空間でのカゴ台車搬送に最適な超低床AGV

HACOBOO HRVT-M450は、極低床構造、磁気誘導走行、リフトアップ機構など、狭小空間と既存設備を前提とした現場のために設計されたAGVです。最大450kgの積載能力とスピンターン対応の走行機構により、通常のAGVでは難しいレイアウトにも柔軟に対応可能です。

自律走行機能についてはオプション対応となりますが、将来的な拡張を見据えた運用にも対応できる設計となっています。安全性と運用効率の両立を求める物流・製造現場にとって、HACOBOO HRVT-M450は現実的かつ強力な選択肢といえるでしょう。

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