もりや産業株式会社が開発した「Carry Bee CBCP20B-2FLMC(D)P-D」は、最大搬送重量1.5トンという高荷重対応を特徴とする無人搬送システム(AGV)です。
ハンドリフター一体型の構造にAGV機能を加えることで、床面に直置きされたパレットをそのまま自動搬送できる構造を実現しています。本記事では、この特殊仕様型AGVの技術的特徴と運用可能な現場シーンを、事実ベースで詳しく解説します。
CBCP20B-2FLMC(D)P-D:大容量パレット搬送を担う特殊仕様型AGV
床面直置き対応で最大1.5トン搬送に対応する設計
CBCP20B-2FLMC(D)P-Dの最大搬送重量は1,500kg(目安)であり、一般的なパレット積載物の中でも重量級に分類される荷物の搬送が可能です。自重33kgという軽量設計ながら、パレット下部に差し込んで支える構造により、重量物の安定搬送を実現します。
この「床面差し込み式搬送」は、従来のフォークリフトや専用リフト台を使用する必要がなく、搬送対象物をそのままの状態で無人搬送できる点で、従来設備との高い親和性を持ちます。物流センターや工場の出荷エリアで特に多い、積載状態のままのパレット移動にも対応可能です。
運用インフラを選ばない磁気誘導方式
本製品は磁気式誘導を採用しており、床面に敷設された磁気テープにより経路をトレースします。これにより、複雑なナビゲーション装置や専用システムを導入せずに、シンプルな構成で高精度な走行が可能です。ルートの変更や拡張も比較的容易で、導入後のレイアウト変更にも柔軟に対応できます。
無負荷時の最高走行速度は50m/minで、10段階の変速機構を搭載しており、現場の搬送距離や時間要件に応じて最適なスピードでの運用が可能です。登坂能力は1度で、基本的にフラットな床面での使用を前提としています。
CBCP20B-2FLMC(D)P-D:重量級搬送を支える構造と安定性
本体寸法と安定走行のバランス設計
本体サイズは幅2,000mm、奥行930mm、高さ1,433mmと、1,100mmパレットや長尺資材を安定して保持できるサイズ構成です。重量物を安定的に支持するため、接地面積が広く、搬送中のバランス確保にも優れた設計となっています。
また、搬送時にはパレットの持ち上げを行わない構造であるため、積載物の揺れや傾きによる荷崩れ、破損リスクを大幅に軽減できます。これにより、梱包不要な部品や精密部材の搬送にも適応可能となっています。
多拠点・多用途対応を見据えた製品設計
本製品は、重機械部品、鋳造部品、モジュール製品といった重量品の搬送だけでなく、倉庫間の中距離移動、工程内の在庫移送などにも活用できる汎用性を備えています。
また、複数拠点間での導入を前提にした設計思想のもと、車両のメンテナンス性、交換部品の共通化、操作系統の標準化が意識されており、導入後のスケールアップにも配慮された構造です。
CBCP20B-2FLMC(D)P-Dの適用現場に見る柔軟性とスケーラビリティ
AGV上での簡易組立や確認作業にも適応可能
CBCP20B-2FLMC(D)P-Dは、パレット単位での搬送だけでなく、搬送途中にAGV上での簡易作業や検査を行うセル生産型運用にも対応可能な構造です。たとえば、仮締めや部品仕分け、バーコードスキャンといった中間作業をAGV上で処理し、そのまま次工程へ搬送するといった活用が想定されます。
このような応用により、作業エリアの集約や再配置が進み、製造現場におけるスペース活用と工程の統合が促進されます。とりわけ、多品種少量生産を行う現場では、工程ごとの再構築を支えるインフラとなる可能性があります。
工場拠点や物流センターでの大容量搬送の効率化に適応
製品の大きな特長である「1.5トン対応」という点は、単なる重量運搬だけでなく、現場全体の搬送頻度削減にもつながります。これにより、搬送回数が削減され、交通の集中や作業員の接触リスクも抑制可能です。
さらに、重量物対応のAGVとしては比較的小型であるため、既存ラインとの導線調整も比較的容易で、最小限のレイアウト変更で導入できる点も現場にとって大きな利点です。
CBCP20B-2FLMC(D)P-D:AGV導入の判断基準と拡張性
高重量対応とローコスト性の両立
CBCP20B-2FLMC(D)P-Dは、重量搬送に対応しながらも、構造がシンプルなため初期コストを抑えやすいという特長があります。とくに専用治具や制御ソフトを要しない構成であるため、搬送対象の変更や運用範囲の見直しが発生しても、追加コストが抑制されます。
また、磁気誘導方式による運用はメンテナンス負担が少なく、設備投資としての負担軽減も見込まれます。これらの特長により、「自動化を進めたいが予算が限られている」という現場でも、導入の第一歩を踏み出しやすい設計となっています。
多様なオプションにより段階的導入が可能
本機種は、基本仕様に加え、運用フェーズに応じた機能拡張が可能です。オプションには以下のようなものがあります:
- 自動充電ドッキング機能
- 周囲センサーによる障害物検知
- PLCやMESとの信号連携
- 稼働ログの取得と遠隔管理機能
これにより、まずは単独搬送からスタートし、将来的には工場全体のAGV統合管理やスマートファクトリーへのステップアップも視野に入れた運用が可能です。
まとめ:CBCP20B-2FLMC(D)P-Dが支える大容量搬送の自動化基盤
もりや産業の「Carry Bee CBCP20B-2FLMC(D)P-D」は、床面直置きの1.5トン対応パレットを無人で安定搬送することができる特殊仕様型AGVです。
既存の手押しハンドリフター作業をそのまま自動化できる構造に加え、磁気誘導による安定走行、高速走行、拡張性のあるオプション機能など、あらゆる現場での柔軟な活用が可能です。
導入初期の搬送業務自動化から、将来的なスマートファクトリー対応まで、段階的な自動化戦略の中核を担う装置として、CBCP20B-2FLMC(D)P-Dは非常に有効な選択肢となります。
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