もりや産業の無人搬送AGV「Carry Bee CBCP10B-2FLMC(D)P-D」が実現する搬送自動化

無人搬送システム「Carry Bee CBCP10B-2FLMC(D)P-D」は、もりや産業株式会社が提供するハンドリフター一体型のAGV（無人搬送車）です。

床面に直置きされたパレットをそのまま搬送可能なこの製品は、物流・製造現場における省力化と工程自動化を現実のものとします。本記事では、製品の仕様、技術的特徴、導入による具体的な効果を、客観的な事実に基づいて紹介します。

CBCP10B-2FLMC(D)P-D：磁気誘導による無人搬送の最適化

搬送対象の代表的な仕様と対応能力

Carry Bee CBCP10B-2FLMC(D)P-Dは、床面に直置きされたパレットを無人で搬送可能な構造を持っています。積載可能な目安重量は800kgで、自重は33kgです。

これにより、人手によるフォークリフト操作や台車搬送を省き、搬送作業の標準化と作業負荷の軽減を同時に実現できます。

物流センターや製造ラインなど、日常的に重量物のパレット搬送が発生する現場での活用を想定して設計されています。特別な架台や治具を必要としないため、導入コストを抑えた形での自動化が可能です。

走行性能：最大50m/minのスムーズな搬送

最大走行速度は無負荷時で50m/minと高速帯に属し、10段階の変速調整が可能です。これにより搬送距離や作業スケジュールに応じた柔軟な速度設定ができ、他工程との連携を効率的に行えます。

誘導方式は磁気式を採用しており、床面に敷設された磁気テープを読み取って走行します。これにより、経路の設置・変更が簡単で、レイアウト変更への対応力も高くなっています。登坂能力は1度で、段差や傾斜のないフラットな床面での使用に適しています。

CBCP10B-2FLMC(D)P-D：省人化を支える構造的特長

搬送機能と本体サイズ

本体サイズは幅2,000mm、奥行930mm、高さ1,433mm。これにより、一般的なパレット（1,100×1,100mmなど）にも十分対応可能で、搬送中の安定性が確保されています。下部からパレットを支える設計のため、搬送物の上下動がなく、荷崩れや破損のリスクを軽減します。

また、ハンドリフターとしての機能とAGVとしての自動搬送機能が一体化されており、既存の手押し運搬作業の完全な代替が可能です。これにより、単なる「搬送機」ではなく、作業者の動線最適化と負荷軽減を同時に実現する実務的な機材といえます。

多様な導入現場を想定した製品設計

Carry Bee CBCP10B-2FLMC(D)P-Dは、自動車部品の搬送、倉庫内の入出庫搬送、組立ライン間の連携など、複数の現場ニーズに対応可能です。加えて、多彩なオプション群が用意されており、現場ごとに必要な機能を追加しての運用が可能です。

たとえば、非常停止ボタンや音声アラームなどの安全機能、稼働データの遠隔取得が可能な通信モジュール、指定位置での高精度停止を実現するレーザーセンサーなど、将来的なスマート工場対応を見越した拡張性を備えています。

CBCP10B-2FLMC(D)P-Dの導入による運用シーンの多様性

工程間搬送とAGV上組立の両立

Carry Bee CBCP10B-2FLMC(D)P-Dは単なる搬送用AGVではなく、AGV上での簡易作業や組立にも対応可能な構造を備えています。例えば、仮締め作業や部材確認といった前工程をAGV上で実施し、そのまま次の作業工程へと搬送するフローの構築も可能です。

この柔軟性により、作業エリアの再設計や分散化が可能となり、省スペース化と作業効率の向上を同時に図れます。特に工程ごとの移動時間がボトルネックとなっている現場では、大きな改善効果が期待できます。

搬送自動化による工程設計の再構築

自動化によって搬送タイミングが一定化することで、工程間の「待ち時間」を削減できます。また、人による搬送では発生しがちな「置き間違い」「行き違い」といったミスを防止し、生産の安定化にも寄与します。

加えて、作業員の動線が削減されることにより、作業者の負担軽減、ならびに作業エリアの安全性向上にもつながります。こうした間接的効果も含めて、Carry Bee CBCP10B-2FLMC(D)P-Dは現場全体の効率設計に資する装置といえます。

CBCP10B-2FLMC(D)P-Dを選ぶ技術的判断基準

ローコストAGVとしての優位性

Carry Bee CBCP10B-2FLMC(D)P-Dは、AGV導入に際しての初期コストを抑えた選択肢として位置づけられます。特に、専用架台や高額なナビゲーション設備を必要とせず、磁気テープのみで走行制御が可能なため、レイアウト変更の自由度が高く、投資リスクを低減できます。

また、シンプルな構造ゆえにメンテナンス性も高く、日常点検や部品交換の際に高度な技術を必要としません。これにより、導入後のランニングコストも抑えることができ、中長期的な視点で見た費用対効果に優れています。

オプションによる拡張性

標準機能だけでなく、各種オプションの組み合わせにより、より高度な運用に対応できます。たとえば、充電ドッキングステーションを追加すれば長時間運用が可能となり、センサーの追加により衝突回避や周囲検知機能も強化されます。

これにより、Carry Bee CBCP10B-2FLMC(D)P-Dは初期段階の省人化だけでなく、スマート工場化を見据えた発展的な運用にも柔軟に対応可能です。段階的に導入機能を拡張していくことで、無理なく高度な搬送自動化体制を構築できます。

まとめ：CBCP10B-2FLMC(D)P-Dが実現する搬送自動化の合理的選択

Carry Bee CBCP10B-2FLMC(D)P-Dは、床面直置き対応のハンドリフター型AGVとして、工程間搬送、セル生産、物流拠点内の荷物移動といった幅広い用途に対応可能な機種です。

磁気誘導方式によるシンプルかつ安定した走行、高速かつ可変速の搬送能力、そして多様なオプション展開によって、導入現場に最適化された運用が可能です。

これにより、搬送自動化の初期段階はもちろん、中長期での工程設計再構築や生産性向上を見据えた投資としても、高い合理性を持つ選択肢となります。