生産現場や物流倉庫における人手不足や省力化の要請が強まるなか、自動搬送車(AGV)の導入はもはや選択肢ではなく、喫緊の課題解決手段となりつつあります。
その中で注目されているのが、シャープマーケティングジャパン株式会社が提供する「TYPE LC」です。TYPE LCは100Wモーターを搭載した磁気誘導式AGVで、標準モデルながら高い搬送性能と操作性、拡張性を備えています。本記事では、TYPE LCの仕様、導入ステップ、活用領域、対応力などを多角的に解説します。
TYPE LCの基本性能:現場ニーズに適したバランス設計
TYPE LCの物理仕様と稼働条件
TYPE LCの本体サイズは「1,030mm × 550mm × 250mm」と、一般的な工場の通路や物流倉庫の搬送ルートを想定したサイズ設計です。この寸法であれば、幅900mmの標準通路や狭隘なスペースにも対応可能であり、既存設備への追加導入もしやすくなっています。
積載許容荷重は最大70kgで、工具箱・中型部品・仕掛品などの搬送に対応可能です。また、潜り込み式牽引で最大100kg、引っ張り牽引で最大250kgまで搬送できるため、カゴ台車や6輪台車といった搬送機器を活用した物量搬送にも適しています。
さらに、TYPE LCは鉛バッテリー(26Ah×2)を採用し、フル充電で約8時間の稼働が可能です。これは一般的な1シフト(8時間勤務)に対応した設計であり、日常業務においてバッテリー交換の手間を最小限に抑えられます。充電は手動方式が標準ですが、自動充電機能にもオプションで対応しています。
TYPE LCの走行方式と操作特性
TYPE LCの走行方式は「磁気誘導方式」です。これは床面に磁気テープを敷設し、AGVがそのルートに沿って走行する方式で、センサーと制御回路によって高い精度でのルート走行が可能です。磁気誘導方式の特長は、走行安定性が高く、誤差や逸脱が起こりにくい点にあります。たとえば、交差点や旋回ポイントでも正確な停止やスピンターンが可能です。
最高速度は60m/minで、同等スペックの中小型AGVとしては平均的な速度です。歩行速度より速く、搬送時間の短縮にも貢献します。また、前進走行とその場旋回(スピンターン)を標準で備えており、狭いエリアでの向き転換もスムーズです。後進走行もオプションで追加可能で、ルート制限がある構内でも柔軟な運用が可能となります。
TYPE LCが担う多階層運用と搬送自動化の最適化
TYPE LCによる立体空間の活用
近年の物流倉庫では、床面積の制限を克服する手段として「多階層構造」の導入が加速しています。TYPE LCは、こうした多階層型ロボットストレージシステムにも対応可能で、AGVが各階層を走行し、商品棚をピッキングステーションまで自動搬送するという仕組みを実現します。
たとえば、1階にピッキング作業員を配置し、AGVが2階・3階の棚まで商品を取りに行くことで、作業者の歩行距離がゼロに。これにより、「歩かないピッキング」が可能となり、作業時間の短縮とともに人的エラーの削減も期待されます。
TYPE LCの牽引互換性と可搬性の高さ
TYPE LCのもう一つの強みは、牽引ユニットの選択肢が豊富であることです。一般的な物流現場で使用されるパレット、カゴ車、6輪台車など、流通現場に即した搬送機器に幅広く対応しています。製品そのもののサイズがコンパクトであるため、台車との連結や潜り込み式牽引もスムーズに行えます。
こうした高い互換性により、TYPE LCは「運搬物が毎回異なる」「設備変更が頻繁にある」といった変化の激しい現場にも柔軟に対応できます。
TYPE LCの導入ステップ:自律運用への明確なプロセス
ステップ1:視覚的に直感操作できるコース作成
TYPE LCの導入で最初に行うのが、専用ソフト「Easy Course Editor」によるコース作成です。タブレット上で施設の図面を取り込むことができ、各ポイント(停止位置・スピンポイントなど)をタッチで指定するだけで簡単にルート設計ができます。UIはグラフィカルで、特別なITスキルがなくても操作可能な設計です。
ステップ2:動作パターンの登録
AGVの挙動は最大64パターンまで登録可能です。これにより、作業シーンに応じた走行ルートの切替が容易になります。たとえば、午前は資材搬送、午後は完成品回収といった使い分けが可能で、搬送工程の最適化につながります。
ステップ3:走行ルートの設置作業
走行コースの敷設は、磁気テープと制御カード、保護テープによって構成されます。これはメンテナンス性にも優れており、レイアウト変更時にも再敷設が容易です。磁気誘導方式はレーザーやSLAM方式に比べて導入コストが抑えられるため、中小規模の工場にも適しています。
ステップ4:コース選択で即走行開始
準備が整えば、タブレット上でコースを選択するだけでTYPE LCは指定ルートを走行開始します。作業員は指示を出すだけで搬送業務を任せられるため、他の付帯作業や管理業務に集中できます。結果として作業効率の向上が見込めます。
TYPE LCのオプション拡張と長期サポート
実用的なオプション群で現場対応力を強化
TYPE LCは、用途に応じた複数のオプションを用意しています。具体的には以下のような機能強化が可能です。
- 自動充電機能の追加
- 後進走行機能の搭載
- 音声アラームや警告灯のカスタマイズ
- カスタム牽引装置の組み合わせ
これらの拡張性により、TYPE LCは多種多様な業態・業種に対応するAGVとして高い評価を受けています。
安心の導入支援とアフターサポート
TYPE LCには、導入から運用までをサポートする3つのサービスパックが用意されています。
- 導入支援パック:設計や敷設作業をシャープが代行。初めてのAGV導入でも安心。
- 運用サポートパック:電話相談で運用中の課題をフォロー。
- 保証延長パック:最大5年までの長期保証により、稼働リスクを低減。
これにより、中長期的な視点での導入投資にも信頼性を持たせることが可能です。
まとめ:TYPE LCが切り拓く搬送自動化の現実解
シャープマーケティングジャパン株式会社の「TYPE LC」は、100Wモーター搭載による高牽引性能と、コンパクト設計、簡単操作、拡張性の高さを併せ持つ磁気誘導式AGVです。
導入ハードルが低く、多階層運用や混在台車への対応力も備えており、搬送工程の自動化・省力化を推進したい現場にとって、まさに実用的な選択肢と言えるでしょう。
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