製造業や物流業界において、搬送作業の自動化は生産性向上と労働力不足への対応手段として注目されています。しかし、現場ごとに設備構成や作業条件が異なる中で、「一律のAGVでは対応できない」という悩みを持つ現場も少なくありません。

四恩システム株式会社の「TRAY」は、そうした多様なニーズに対応するために開発された天板移載型のAGV(無人搬送車)です。搬送対象のサイズや重量、走行ルートの構成、充電インフラの有無など、さまざまな運用条件を考慮して導入を検討する現場にとって、TRAYはきわめて柔軟性の高い選択肢となります。

本記事では、TRAYの機構や性能について事実に基づき整理し、導入検討の判断材料を提供します。

四恩システム株式会社 TRAYの基本スペックと設計思想

省スペース環境に対応するコンパクト設計と搬送能力

TRAYの本体サイズは幅550mm×奥行550mm×高さ550mmと、同カテゴリのAGVの中でも特にコンパクトです。このサイズ設計は、狭小スペースが多い既存工場やライン内の分岐点などでも高い取り回し性を発揮します。

それでいて、最大150kgの搬送重量に対応しており、機構部品・製品・段ボールケースなど、さまざまな荷姿の物品を安定して搬送することが可能です。搬送対象物のサイズや重さが日々変動する現場でも、安心して活用できます。

前後進と速度調整で柔軟な搬送経路を実現

TRAYは前進・後進の両方向に走行可能で、狭い構内や対面通行が難しいルートでもUターンせずに搬送できます。走行速度は最小0.36km/hから最大3.60km/hまで任意に設定でき、衝突リスクがある場所では低速、安全エリアでは高速といった使い分けも可能です。

この可変速度制御は、作業者や他の搬送機器と共存する環境での自律運転において、大きな安全性と運用効率を生み出します。

四恩システム株式会社 TRAYの電源構成と充電方式

鉛密閉型とリチウム電池の選択肢

TRAYは2種類のバッテリー方式に対応しています。鉛密閉型は初期導入コストを抑えたい場合に有効であり、リチウム電池は充電時間の短縮や長寿命を求める運用現場に向いています。

運用時間は満充電状態で約4時間の連続稼働が可能で、昼間の一部工程に限定して活用する中間搬送用途や、稼働密度が時間帯によって変わるシフト環境でも使いやすい仕様です。

手動から非接触まで対応する充電モード

充電方式は以下の3種類から選択可能です:

  • 手動充電:人手による簡便な運用に向く
  • 接触式自動充電:ステーションでの自動給電による完全無人運用
  • 非接触式自動充電:クリーン環境や設備制約がある現場向け

設備状況やランニングコスト、充電頻度などの運用方針に応じて最適な方式を選べるのがTRAYの特長です。

四恩システム株式会社 TRAYの誘導方式と環境適応力

既設ラインに親和性の高い磁気誘導

TRAYは、磁気テープおよび磁気スポットによる誘導方式に対応しています。これは工場などで既に構築済みの搬送ルートに迅速に適合させられる方式で、初期投資と導入期間を抑える上で大きなメリットとなります。

ルート変更が少ない安定稼働の現場や、固定レイアウトでの定点間搬送には特に効果的です。

自己位置推定技術による自由誘導

Visual SLAM(カメラベース)、LiDAR SLAM(レーザーベース)、Floor SLAM(床パターン認識)といった先進的な誘導方式にも対応。これにより、磁気ガイドなしでの走行が可能となり、構内のレイアウト変更や新規導線の追加も柔軟に行えます。

設備増強やリニューアルを頻繁に行う現場や、固定レイアウトに縛られたくない運用にはこの自由誘導が適しています。

四恩システム株式会社 TRAYの移載機構と拡張対応力

天板移載を基本とした安定搬送

TRAYの標準構成は天板移載方式で、荷物は本体上部のトレイ部分に載せる形式となっています。シンプルでありながら、積載物の安定性を確保しやすく、多様な荷姿に柔軟に対応できます。

搬送物が一定サイズである必要がなく、箱、部材、容器など形状がばらつく場合にも導入ハードルが低いのが利点です。

特殊仕様で多様な構成に連携

TRAYは、特殊仕様として以下のような移載オプションにも対応できます:

  • コンベア搭載型:生産ラインへの直接搬入
  • ロボット連携型:自動ピッキング・荷下ろしとの組み合わせ
  • 牽引仕様:複数台のカートを牽引して搬送

これにより、TRAYは単独搬送にとどまらず、より高度な自動化ライン構築にも組み込むことが可能となっています。

四恩システム株式会社 TRAYの導入領域と用途例

製造業における部品供給や定点搬送

TRAYは、セル生産方式や中間工程における部品供給など、定点間での繰り返し搬送に適しています。特に、段取り替えが頻繁で人手による運搬が負担となっている現場では、安定した無人搬送により大きな作業改善が見込めます。

また、製品組立や加工ラインへの部材供給など、一定間隔での供給が求められるシーンにもマッチします。

物流現場でのピッキング・構内配送支援

ピッキングエリアで収集された商品を倉庫内各所へ移送したり、複数拠点に製品を届けたりといった構内物流にもTRAYは活用可能です。特に、ピッカーの歩行距離削減や移送ミスの防止を図るうえで、無人搬送は大きな支援効果を発揮します。

誘導方式の自由度が高いため、将来的なレイアウト変更が想定される現場にも導入しやすい仕様となっています。

TRAYのまとめ:多様な現場ニーズに応える柔軟性と拡張性

四恩システム株式会社の天板移載型AGV「TRAY」は、サイズ、搬送能力、誘導方式、充電手段、移載機構といった各要素で高い柔軟性を備え、さまざまな搬送ニーズに対応できる機体です。特に、設備構成や運用ルールが定まっていない現場や、カスタマイズ性を求めるユーザーにとっては、有力な選択肢となるでしょう。

製造業から物流業まで、あらゆる業界の現場で、無人搬送の価値を確実に発揮するAGVとして、TRAYはその実力を備えています。

製品導入を検討されている方へ

本フォームでは、用途や現場環境に応じて最適なモデルをご案内しております。
ご希望が明確な場合は該当製品を、まだ決まっていない場合でも仕様や条件に合った候補を複数ご紹介可能です。
いただいた情報をもとに、必要に応じてメーカーから直接ご連絡させていただく場合がございます。(1~3社程度)
比較検討の判断材料として、まずはお気軽にご相談ください。

※通常1〜3営業日以内にご返信いたします。
※フォーム送信後、自動返信メールが届きます。

    ・お問い合わせ対象の製品カテゴリをお選びください(必須)

    ・会社名(必須)

    ・所在地(都道府県)(必須)

    ・お名前(必須)

    ・メールアドレス(必須)

    ・電話番号(任意)

    ・製品の導入状況について教えてください(必須)

    ・想定している用途を教えてください(複数選択可)

    ・製品導入によって期待している成果(最大3つまで)

    ・導入したい環境について、当てはまるものをお選びください(複数選択可)

    ・導入タイミングのご希望(必須)

    ・導入タイミングの理由・背景(任意)

    ・製品選定における社内でのご担当ポジション(必須)

    ・導入に想定しているご予算(任意)

    ※以下は目安です。おおよそのイメージで構いません。

    ・製品選定で重視しているポイント(最大3つまで)

    ・ご希望のメーカーご紹介スタイルをお選びください(必須)

    ※ご状況に応じて、最適な対応をいたします。

    ・特に不安に感じている点や質問があればご記入ください(任意)

    ・「プライバシーポリシー」に同意します(必須)

    個人情報の取り扱いについて

    ご入力いただいた情報は、資料送付および今後の製品・サービスに関するご案内のために使用させていただきます。
    プライバシーポリシーについてはこちらをご確認ください。