物流や製造業において、パレット搬送は日常的な業務でありながら、人手と時間を要する作業のひとつです。
そうした中、株式会社タナカエンジニアリングが提供する「D-PORTER ハンドリフト型」は、従来のハンドリフト作業やフォークリフトによる水平運搬の自動化を目指して開発された無人搬送車(AGV)です。
本記事では、D-PORTER ハンドリフト型の製品特性を中心に、その機能・性能を客観的にご紹介します。
D-PORTER ハンドリフト型とは何か
無人搬送を実現するAGV「D-PORTER」シリーズの位置付け
「D-PORTER」は、株式会社タナカエンジニアリングが開発したAGV(無人搬送車)シリーズのひとつであり、単なる搬送だけでなく、受け渡しまでを含むトータルパッケージでの提案を特徴としています。その中でも「ハンドリフト型」は、パレットの自動搬送を目的に、現場の省力化や安全性向上を支援するモデルです。
主な導入目的と運用想定環境
D-PORTER ハンドリフト型は、パレット搬送作業の代替を主眼に設計されています。特に、「田」の字パレットやスキットパレットに対応しており、搬送架台などの追加装備を必要としない点が特長です。屋内使用を前提としており、工場や倉庫などの現場環境に適しています。
D-PORTER ハンドリフト型の主要スペック
基本寸法と可搬性能
本体寸法は1,600 × 800 × 1,200 mmで、比較的コンパクトな構造となっています。最大積載荷重は1,000 kgと高く、重量物のパレット搬送に対応可能です。フォークの最低位は85 mm、最高位は165 mmとなっており、多様なパレット高さへの対応力を備えています。
搬送性能と可動範囲
最高走行速度は45 m/minで、屋内搬送作業に適したスピードを実現しています。最小旋回半径はR1,500 mmとされており、狭い通路でもスムーズな方向転換が可能です。停止精度は±10 mmと高精度であり、パレット受け渡し位置の誤差を最小限に抑えられます。
電源と稼働効率
使用バッテリにはリチウムイオンバッテリを採用しており、連続稼働時間は約6時間です。充電は非接触充電(自動充電)方式で、約2時間で満充電が可能なため、短時間の休止期間中に再充電が完了します。
D-PORTERの操作性と安全機能の標準装備
SLAM方式による高精度な自己位置推定
本製品は、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)方式を採用しており、従来必要だった磁気テープやQRコード、反射板といった誘導設備を必要としません。そのため、導入にあたっての工事が不要であり、レイアウト変更の柔軟性も高くなっています。
なお、SLAM方式により周囲環境を認識・自己位置推定しながら走行する本機の機能は、技術的にはAMR(Autonomous Mobile Robot)に該当します。
メーカーがAGV(無人搬送車)として商品カテゴリーを定義しているため、本記事ではAGVの表現を使用していますが、機能面では自律走行型ロボットに近い特性を持っていることもあわせて理解しておくと、より適切に評価できます。
安全装置と警告システム
障害物検知には測域センサが搭載されており、搬送中の安全確保に寄与します。また、非常停止用のバンパーセンサと非常停止ボタンを装備しており、万が一の際にも迅速に停止可能です。さらに、警告音(メロディ)と本体左右に配置された警告灯により、周囲の作業者にも動作状況を明確に知らせる設計です。
D-PORTERの搬送対象と導入の柔軟性
パレットタイプの対応力
D-PORTER ハンドリフト型は、直置きされた“田”の字パレットやスキットパレットに対応しています。従来は搬送のために架台などを設ける必要がありましたが、本製品ではそうした追加設備が不要なため、導入コストと設置スペースの両方を抑制できます。
オプション機能による拡張性
作業者の接近を検知するシステムや、フォークピッチのカスタマイズといったオプション機能が用意されており、現場の条件や用途に応じた柔軟な仕様対応が可能です。こうした拡張性は、多様な現場ニーズに応えるための重要な要素です。
D-PORTER導入にあたっての確認事項
導入コストと見積もり対応
価格については都度見積もり対応となっており、現場の使用環境や求められるカスタマイズ内容により変動します。そのため、事前のヒアリングと現場視察による最適化提案が推奨されます。
初期設置に必要な条件
屋内使用を前提とした設計であり、粉塵や温湿度の影響を受けにくい工場や物流施設に適しています。車体がコンパクトであり、小回り性能が高いため、既存のレイアウトを大幅に変更することなく導入可能です。
まとめ:D-PORTER ハンドリフト型は無人搬送の新たな選択肢
D-PORTER ハンドリフト型は、株式会社タナカエンジニアリングが提供する無人搬送車として、作業の自動化、効率化、安全性向上を同時に実現する製品です。
高精度なSLAM誘導、パレットへの高い対応力、そして安全性と柔軟性を兼ね備えた設計により、多くの現場で導入効果が期待できます。今後の搬送自動化の選択肢として、十分に検討する価値のある一台です。
本フォームでは、用途や現場環境に応じて最適なモデルをご案内しております。
ご希望が明確な場合は該当製品を、まだ決まっていない場合でも仕様や条件に合った候補を複数ご紹介可能です。
いただいた情報をもとに、必要に応じてメーカーから直接ご連絡させていただく場合がございます。(1~3社程度)
比較検討の判断材料として、まずはお気軽にご相談ください。
※通常1〜3営業日以内にご返信いたします。
※フォーム送信後、自動返信メールが届きます。
個人情報の取り扱いについて
ご入力いただいた情報は、資料送付および今後の製品・サービスに関するご案内のために使用させていただきます。
プライバシーポリシーについてはこちらをご確認ください。