極低床型AGV「HRVT-M350」は、製造現場や物流センターにおいて、省スペースでの重量物搬送を実現する搬送ロボットです。
株式会社ヘッズが提供する本製品は、低床設計でありながら高い搬送能力を備えており、磁気誘導方式による安定した走行と多彩な動作性能を兼ね備えています。
この記事では、HRVT-M350の仕様を正確かつ網羅的に整理し、導入を検討する企業向けに、各仕様のポイントを客観的に解説します。
HRVT-M350|極低床型設計と高機動性が支える省スペース搬送
HRVT-M350の本体寸法と構造
HRVT-M350の最大の特徴はその「極低床設計」にあります。本体高さは195mmと非常に薄型であり、パレット下や低位置への進入が求められる搬送作業に対応します。全長は1550mm、幅は450mmと、一般的なAGVと比べてスリムな構造が採用されています。このサイズ感により、狭小通路や限られたスペースでも干渉を抑えた走行が可能となります。
床面クリアランスが限られるセル生産方式の現場や、低床型の搬送ターゲットが多い保管棚間での利用にも適しており、フォークリフトが入りにくいエリアでの代替搬送手段として有効です。
HRVT-M350の走行能力と操作性
HRVT-M350は磁気方式を採用しており、磁気テープや磁気ガイドラインに沿った精密な走行が可能です。この方式は、導入時の初期設定と保守が比較的容易であり、地面への加工だけで走行ルートの設定ができる点が特徴です。
また、スピンターン(その場旋回)および前後進の走行モードを搭載しており、設置スペースが限られた環境でも回転動作が可能です。スピンターンにより、搬送物を積載したまま180度方向転換を行うことができ、ルート再設定や方向転換の手間を削減します。
最高速度は45m/minであり、一般的な構内搬送業務の中では標準的な速度帯に位置します。安全性と搬送効率のバランスを考慮した速度設計です。
HRVT-M350|制御・バッテリー・安全設計の基本仕様
HRVT-M350の制御方式とバッテリー構成
HRVT-M350は、PLC(Programmable Logic Controller)とマイコンの複合制御によって運転されます。この構成は、複雑な制御ロジックを実装しながら、現場ごとのカスタマイズにも対応可能であり、外部信号との連携やセンサ連動も柔軟に設定できます。
バッテリーにはリチウムバッテリーを採用しており、ニッケル水素や鉛蓄電池と比較して軽量でありながら高エネルギー密度を有するため、長時間運用と高速充電が可能です。これにより、稼働率の高い現場においても充電待機時間を短縮し、運用効率を高めます。
充電ステーションの配置や、バッテリー交換方式の設計次第では、24時間運用を視野に入れたシステム設計も可能です。
HRVT-M350の安全装備と現場対応力
HRVT-M350には、複数の安全装備が標準で搭載されています。具体的には、前後の接触バンパーおよび障害物センサー(NPN仕様)が装備されており、障害物を検知すると自動で減速または停止します。作業員との接触リスクを低減する設計です。
加えて、非常停止ボタンも本体前後に配置されており、緊急時には即座に動作を停止させることができます。センサーは距離検出ではなく障害物有無を検知する簡易タイプですが、運用ルートが限定される環境においては十分な安全性を確保可能です。
また、走行時にはメロディー音による周囲への注意喚起機能が付属しており、視覚以外からの安全補助手段としても機能します。
HRVT-M350|対応搬送重量と用途の適合性
HRVT-M350の搬送能力の概要
HRVT-M350の最大搬送重量は450kgとなっており、多くの中重量物の搬送ニーズに対応可能です。ただし、スピンターン機能を使用する場合の搬送重量は最大350kgと制限されているため、重量物を旋回させる用途では事前の検討が必要です。
この重量帯であれば、製造業における資材搬送や、物流拠点におけるケース・パレット単位の搬送が可能であり、繰り返し搬送が発生する現場での自動化推進に寄与します。
HRVT-M350の導入対象となる環境
本製品は、特に以下のような条件下での導入に適しています:
- 通路幅が限られた搬送ルート(幅1m以下でも走行可能な構造)
- 低床設備がある搬送ライン(高さ195mm以下のクリアランス)
- 反転や回転が頻発する現場(スピンターンによる省スペース旋回)
- 人との共存が必要な現場(安全装備による接触リスク軽減)
搬送対象物の形状やサイズによってはカスタマイズが必要になる場合もあるため、仕様に基づいた導入可否の確認が重要です。また、自律走行機能は標準仕様では搭載されておらず、希望する場合は個別対応が必要です。
まとめ:HRVT-M350を検討する上での要点整理
極低床型AGV「HRVT-M350」は、限られたスペースでの自動搬送において有力な選択肢となる搬送装置です。事実ベースで確認できる主な特徴を以下に整理します:
- 高さ195mmの極低床設計で狭小空間への進入が可能
- スピンターン・前後進対応により、省スペースでも柔軟な運行が可能
- 磁気方式による走行とPLC+マイコン制御で安定した走行性能
- **最大搬送重量450kg(スピンターン時は350kg)**と高い対応力
- 非常停止ボタン・接触バンパー・障害物センサーなど安全機能を標準装備
- メロディー付き通知により、周囲への存在アピールも対応
導入を検討する際は、搬送対象物の形状・重量、通路幅、旋回頻度などの現場条件を精査し、HRVT-M350の仕様との整合性を確認することが重要です。特にスピンターン時の重量制限と低床対応の必要性がポイントとなります。
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